2012/12/20 9:44:12

「平成24年(ヌ)第207号」事件 ・警察出動・

 今日は、「平成24年(ヌ)第207号」事件について紹介します。いつものように3点セットをダウンロードしてください。


<3点セットは、画面左のリンク(981.jp)から、どうぞ。検索もできます。>


 まず、物件明細書をみます。


 「5 その他買受の参考となる事項」では、建物は、借地上にあり、買受人は地主の承諾又は裁判等が必要との記載があります。
 


 次に、現況調査報告書をみます。


 執行官の意見欄には、調査日に、所有者の妻が「・・声高にお金は借りていない、競売はさせないと言い立て、かたくなに立ち入り調査を拒んだ」ので、同日午後に再度臨場した。


 帰宅した夫(所有者)「共々立入調査を拒んだ」ので、その日の調査を中止した。後日、「警察上の援助」をえて調査を実施したとの記録があります。


 この点、執行官は、「抵抗を排除するために、警察上の援助を求める」(民事執行法6条1項)ことがでます。抵抗すれば、競売手続が進まなくなるなら、だれでも抵抗します。それでは、強制執行秩序は維持できません。


 この事件では、執行官の要請を受けた警視庁田園調布警察署員が援助しています。なお、執行官と警察の組み合わせという、強力な国家権力の行使ですから、適正な執行を証するために「立会人」(同7条後段)が必要です。本件でも、調査日には、Eが立ち合っています(調査の経過欄、特記事項)。
 
 


 どうして、抵抗したか推測します。


 この事件符号に注目してください。(ヌ)事件は、「金銭の支払を目的とする債権についての強制執行」として「不動産に対する強制執行」が申立てられ、「強制競売」(民事執行法43条1項)が行われるときの記号です。


 考えられるケースとして、先行する民事訴訟で金銭債権を請求されて敗訴した結果、債権者がその確定判決を「債務名義」(同22条)として、債務者所有の不動産に競売を申立てる場合です。


 ごくまれですが、前訴で敗訴した意味を受け入れていない者がおり、本件のように執行官に抵抗したり、占有解除に応じず強制執行になります。


 他方、多くの競売事件符号は(ケ)です。(ケ)事件は、「担保権の実行」ですから、所有者は債務不履行のときから、いずれ競売になることは予期できており、無駄な抵抗はしません。


 立入調査段階から抵抗する者とは、まともに話し合うことは困難でしょう。本件であれば、買受人は「引渡命令」(同83条1項)を申立て、強制執行により占有を解除することになります。


 ここで、問題となるのは、内部写真や評価書の概況欄から、この物件がごみ屋敷で、占有解除にかかる費用がいくらになるか、読めないことです。


 加えて、土地賃貸人(の代理人)は、土地賃借権の承諾について、前向きではありません。その理由を推測します。


 三番目に評価書をみます。


 借地権の評価は更地価格の60%です。地主としては、できることであれば、土地賃貸借契約の解除をして、40%の価値しかない底地価格が更地価格に戻ることを期待しています。


 四番目に入札戦略です。


 本件であれば、まず、入札参加前に、土地賃貸人と接触し、賃借権承諾の条件を確認します。一方、占有解除については強制執行を覚悟します。その上で入札価額を決定する必要があります。おそらく売却基準価額は下回るでしょう。


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<お知らせ>


本日は東京地裁本庁の開札です。結果の分析は明日コメントする予定です。


競売サポートの岡野不動産
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岡野不動産(同)
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