「平成24年(ヌ)第338号」事件 ・再建築の注意・
<<このブログは、競売に興味を持っておられる方の勉強の用に供していただくために執筆しています。個別の物件をお勧めしているわけではありません。>>
今日は、「平成24年(ヌ)第338号」事件について紹介します。
有効宅地面積が約4.0m×約8.4mの狭小住宅です。
<3点セットは、画面左のリンク(981.jp)からどうぞ。>
評価書を見ます。
「2.建物の概況及び利用状況」には、建物の品等は「下位」、保守管理の状態は「劣る」と判定されています。経済的耐用年数も「ほぼ満了している」とされています。
この物件を落札する場合には、再建築を見込まなければなりません。再建築にあたり注意すべき点は、「特記事項欄」に記載があります。確認してみましょう。
ところで、この事件は符号が(ヌ)となっています。
(ヌ)事件は、「金銭の支払を目的とする債権についての強制執行」として「不動産に対する強制執行」が申立てられ、「強制競売」(民事執行法43条1項)が行われるときに付されます。
考えられるのは、不動産の所有者が、先行する民事訴訟で金銭債権を請求されて敗訴した結果、勝訴債権者がその確定判決を「債務名義」(同22条)として、敗訴債務者所有の不動産に競売を申立てるケースです。
(ヌ)事件は、不動産の所有者が前訴の敗訴結果を受け入れていないことがあり、引渡しは強制執行となることがあります。
これに対し、競売で圧倒的多数の(ケ)事件は、不動産に抵当(担保)権を設定した後、債務不履行により担保不動産に競売が申立てられるもので、不動産の所有者も事態を認識しており、話合いで引渡しがされるケースが多いです。
また、(ヌ)事件では、債務名義を有する勝訴債権者が、敗訴債権者に対して心理的圧迫をかけて履行を促す目的で競売を申立てている場合もあり、取下げとなることも多くなっています。
ちなみに、入札の手続きは(ケ)、(ヌ)どちらの事件でも同じです。
<安心の落札、競売サポートは岡野不動産合同会社>
競売は、「理勢」です。落札後の権利関係の帰趨がどうなるか、3点セットの内容を法「理」論に基づいて分析する必要があります。
また、入札価額は、市場価額を参考に競売市場の特殊性を考慮して、合「理」的な水準に求めなければなりません。これらを閲覧開始日から入札期間終了までの3週間で決心する「勢」いが必要です。
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