2014/05/12 9:01:14
落札したら ・事故物件だった・
今日は、裁判例の紹介です。
(平成21年01月30日 さいたま地方裁判所 損害賠償請求事件)
本件事案は、宅建業者が落札した競売物件について、所有者が内部で自殺していた事実が明らかになったために、宅建業者が国に対して損害賠償を請求したものです。
争点は
@現況調査を担当した執行官が自殺の事実を調査しなかったこと
A執行裁判所が自殺の事実の調査を指示しなかったこと
これら(@、A)に「過失」があったか、です。
裁判所は、それぞれ「過失」にはあたらないと判断し、請求を棄却しています。
詳しくは判決文をご覧ください。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090216115618.pdf
本件のように、3点セットの記録に表れていない過去の事故(自殺)について、入札前に調査しておくことは容易ではありません。
もっとも、事故物件であることが判明すれば、売却許可取消事由に該当します。
注)民事執行法の規定を理解せずに入札に参加している宅建業者が多いです。
本件では、相続財産管理人(民法952条)が選任されていることから、代金納付までの間に管理人に接触することも可能であったと考えられます。
競売手続きを利用すれば、不動産を安く購入することができます。
しかし、まれには本件のような不良物件もあります。
安心の落札のためには、民事執行法その他の民事法をよく理解している競売サポート業者と契約することが肝心です。
<最高品質のサポート、安心の落札は岡野不動産合同会社>
判決文では、執行官の現況調査報告について、詳細に事実認定しています。ここから、執行官の職務内容についてもよくわかります。執行官制度の沿革は5月8日の記事に掲載しています。あわせてご覧ください。
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