平成26年(ヌ)第44号事件(1) ・持分で(ヌ)・
今日は、平成26年(ヌ)第44号事件についてコメントします。
物件は入谷駅6分(鶯谷駅も利用可)の3DK(57u)築34年です。売却基準価額は、286万円です。
「安い」にはワケがあります。
この事件は、Aの共有持分(1/3)の売却です。相共有者の持分(2/3)を取得しなければ、自由な利用はできません。
この点は、物件明細書第5項に「共有持分についての売却であり、買受人は、当該物件を当然に使用収益できるとは限らない。」と記載されています。
そもそも所有権者は、自由に「使用、収益及び処分」(民法206条)できるのが原則です。
マンションにあてはめれば、使用(=自分で住む)、収益(=貸して賃料を受取る)、処分(=売却する)ということです。
ところが相共有者がいると自由に使用収益はできません。
では、共有持分を落札した場合、その不動産の「使用」関係はどうなるでしょうか?
この点については、たしかに、「各共有者は、共有物の全部について・・使用をすることができる」(民法249条)のが原則です。
しかし、他の持分権者との共同使用(=一緒に住むこと)は不可能です。
したがって、せいぜい、「持分割合に応じた不当利得金ないしは損害賠償金の支払請求」(最高裁判決平成12年4月7日)をすることができるにとどまります。
「収益」についても同様です。共有物を賃貸は、「管理」(民法252条)行為にあたり、持分の過半数で決めることになります。
このように共有持分権は、自由な使用収益ができないために、物件の評価にあたっては「市場性修正」がされ減価されています。
評価書11ページに記載されています。確認してみましょう。
明日は、なぜ共有持分(1/3)のみ競売になったかを考えることにします。
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