注意書(2) ・平成29年(ヌ)第257号・
昨日の続きです
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物件は、江戸川区南葛西5丁目のコスモ葛西臨海公園ロイヤルコート
2LDK+S 64.67u(内法)、売却基準価額は1878万円です。
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3点セットは,裁判所のBITサイトからダインロードしましょう。
http://bit.sikkou.jp/app/top/pt001/h01/
この事件の3点セットには、物件明細書の前に「注意書」が挿入されています。
次の注意事項が記載されています。
「この物件については、民事執行法63条2項の買受申出の保証があるので、入札金額が期間入札公告書記載の「法63条U@申出額」以上の額でなければ物件を買受けることはできません。」
では、「買受申出」(民事執行法63条2項1号)とは、いかなる申出でしょうか?
これは、無剰余措置といわれ、無益な換価を防止するとともに、優先債権者の換価時期の選択権を保障する趣旨で設けられています。
すなわち、執行裁判所は、買受可能価額が手続費用および差押債権者よりも優先する債権を弁済して、剰余を生じる見込みがないときは、その旨を差押債権者に通知しなければなりません(63条1項)。
そのような場合であっても、差押債権者が買受可能価額より高く落札されると見込んでいるときには、差押債権者は、手続費用と優先債権額を超える額で自ら買い受ける旨の申出をして、申出額に相当する保証を提供して手続の続行を求めることができます。
なお、提供がない場合には、強制執行手続きは取消されます(63条2項)。
この事件では、売却基準価額は1878万円、買受可能価額は1502.4万円です。
差押債権者は、買受申出額を1722万円としています。
すなわち、落札価額が1722万円以上でないと手続費用+優先債権者への弁済したあとの剰余(差押債権者への配当)がありません。
もっとも、東京地裁の競売物件は売却基準価額の1.6倍から2倍程度が落札価額ですから、差押債権者がこの物件を買受けることにならないでしょう。
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