所有権の主張(2) ・令和元年(ケ)第766号・
<昨日の続きです>
************************
物件は、大田区大森本町一丁目の区分マンション2DK、
売却基準価額は1072万円です。
************************
*************************
3点セットは,裁判所のBITサイトからダインロードしましょう。
http://bit.sikkou.jp/app/top/pt001/h01/
東京地裁 本庁 令和元年(ケ)第766号
************************
占有者は所有権を主張しています。
占有者は売主に手付金は払ったものの、売主の都合で抵当権の抹消ができないため、決済金の支払いをしていません。
売主は所有権登記移転ができないので、決済金はもらわずに物件を引渡しました。
その後経営破綻したようです。
現況調査報告書を見ます。
本件売買では売買契約は売主バディ社から占有者Aです。
売主バディ社は登記名義を有さず、登記移転はいわゆる中間省略登記で、前主であるフューチャー社から占有者へと移転することになっていました。
民法解釈では、所有権はフューチャー社、バディ社、そしてAへと「移転」(民法176条)しています。
しかし、この所有権の移転は「登記をしなければ、第三者に対抗することができない」(同177条)とされています。
したがってAは第三者(←当事者(本件ではバディ社)その一般承継人以外で、該物権に利害関係を有する者)に対して主張することができません。
競売の最高価買受人は、「第三者」(同177条)に該当しますから、登記のないAは所有権の主張はできません。
買受人はA(日本語通じない)を説得して任意の引渡を受けることは困難です。
代金納付時に「引渡命令」(民事執行法83条1項)を申立て、強制執行をすることになります。
<最高品質のサポート,安心の落札は岡野不動産合同会社>
次回は引渡命令についてコメントをします。これから引渡命令を取得している茨城県の工場に行きます。賃貸契約を締結するか、引渡命令の執行をするか、二者択一です。
お問い合せ