「平成24年(ヌ)第93号」事件
今日は、現在閲覧期間中の「平成24年(ヌ)第93号」事件を研究してみましょう。
いつものように三点セットをダウンロードしてください。
<三点セットは、画面左のリンク(BITシステム)から、どうぞ。事件番号でも検索できます。>
事件符号(ヌ)事件は、「金銭の支払を目的とする債権についての強制執行」として「不動産に対する強制執行」が申立てられ、「強制競売」(民事執行法43条1項)が行われるときの符号です。
考えられるのは、先行する民事訴訟で金銭債権を請求されて敗訴した結果、債権者がその確定判決を「債務名義」(同22条)として、債務者所有の不動産に競売を申立てるケースです。
この事件では、物件明細書の前に「注意書」があります。
そこには、「この物件については、民事執行法63条2項の買受申出の保証があるので・・・「法63U@申出額」以上の額でなければ、物件を買受けることはできません。」とされています。
(条文は、項についてローマ数字、号について〇囲み数字に略式表記すことがあります。)
では、「買受申出」(民事執行法63条2項)とは、いかなる申出でしょうか?
これは、無剰余措置といわれています。執行裁判所は、買受可能価額が手続費用および差押債権者に優先する債権を弁済して剰余を生じる見込みがないときは、その旨を差押債権者に通知しなければなりません(法63条1項)。
差押債権者が手続きの続行を望む場合には、手続費用と優先債権額を超える額で自ら買い受ける旨の申出をして、申出額に相当する保証を提供しなければなりません。
なお、保証の提供がない場合には、強制執行手続きは取消されます(法63条2項)。
この制度は、無益な換価を防止するとともに、優先債権者の換価時期の選択権を保障する趣旨で設けられています。
「期間入札の公告」を見てみましょう。表には買受可能価額は、3,752,000円ですが、申出額は、5,000,000円となっています。
この事件では、差押債権者は、5百万円を保証金として提供しています。注意書きにあるとおり、入札参加者は、申出額以上でなければ物件を買受けることはできません。
この物件であれば、市場価額との見合いから、入札価額が5百万円を下回ることはないのですが、売却基準価額や買受可能価額に囚われている方は、入札書きに記入する際に、ご注意ください。
<安心の落札は岡野不動産>
HPに「平成24年(ヌ)第239号」(再建築不可)、「平成24年(ケ)第1193号」(狭小)事件の写真あります。リフォームすれば住める物件です。これらは落札価額が低くなることが見込まれ、買いやすいです。
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