2012/12/10 9:29:48

競売で不良物件を落札したら

競売で不良物件を落札した人が、現況調査報告書が杜撰であったとして、国に損害賠償を請求することがあります。


 3点セットの現況調査報告書の作成は執行官が行います(民事執行法57条1項)。


 競売の手続きにおける執行官の具体的な職務内容は、下記裁判例の事実認定部分(「第3 争点に対する判断 争点(1)国家公務員である執行官に過失があるか。」)を参照してください。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090216115618.pdf


 過去の裁判例を分析しますと、執行官が現況調査報告書の作成にあたり、調査・判断の過程に合理性を欠く場合には、裁判所は、注意義務違反を認めることがあります。


 もっとも、執行官の注意義務違反を認めてもらうための裁判には、長い時間と費用がかかります。そして、損害賠償の一部が認容されるのが精一杯で、落札そのものが取消されることはありません。


 そもそも不良物件を落札しないことが肝心です。3点セットの内容は、法理論に基づいて正確に分析しましょう。


 万が一不良物件を落札した場合には、当該競売手続きの中で売却許可を取消さなければ、多大な出費を強いられることになります。そうならないよう、専門業者にサポート依頼をすることをお勧めしています。



 最後に参考のため、執行官制度の沿革を紹介します。明治時代に制度化されたわが国の執行吏は、フランスにならい@各執行吏が自己の責任・計算で所属する地方裁判所とは別に執務場所を設け(役場制)、A債権者は同一裁判所に属する数人の執行吏のうちから任意に選択して執行を委任することができ(自由選択性)、B執行吏は国家から俸給を受けず、執行委任手数料を収入(手数料制)とするという特徴をもっていました。
 これは、債権者の権利の実現のために債務者に対して強制力を行使するという職務の性質を考慮して、執行吏間の競争を促進し、手続きの効率を求める仕組みとして機能しました。


 しかし、この制度は執行吏の職務執行に、苛酷、不明朗、不公正といった弊害も生じました。そこで昭和41年に執行官法が制定され、名称を執行官に改めるとともに、役場制を廃止して地方裁判所の庁舎内で執務する(裁判所法62条1項)こととし、自由選択制を廃止して、執行官の事務配分は地方裁判所が決定する(執行官法2条2項)こととしました。しかし、手数料制は維持されたまま現在に至っています(執行官法7条)。



安心の落札・不動産競売流通協会の岡野不動産
 当社の「競売サポート契約」は、@三点セットの情報を基に入念な現地調査を行い、A近隣類似物件との比較、B法令・裁判例などの情報等を総合して、投資対象としての適否・優劣、落札可能価額、予想利回り等を提示しています。


 そして、クライアントとのディスカッションを通じて、入札をお手伝いしています。


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