2014/12/01 6:31:47

(立川)平成26年(ヌ)第35号事件 ・持分の売却(2)・

<<昨日の続きです>>


物件は、西武新宿線西武柳沢駅から10分の共同住宅(所有者居宅+3戸)です。売却基準価額は627万円と激安です。


物件明細書第5項には、「・・共有持分についての売却であり、買受人は・・使用収益できるとは限らない。」と記載されています。


ところで、所有権者は、対象物を自由に「使用、収益及び処分」(民法206条)することができるのが原則です。


本件でいえば、使用(自分で住む)、収益(貸して賃料を受取る)、処分(売却する)ということです。



「使用」、「収益」、「処分」についてコメントします。


1.処分について


本件で処分とは、落札者が代金納付をして所有権(2分の1)を取得した後に売却してしまうことです。


持分であっても売却は可能です。


ただし、持分の譲渡の場合には、使用・収益に制約があるため、制約を価格に織込んで取引されます。


ちなみに、評価書でも市場性が劣るということで、市場性修正0.7が施されています(15ページ)。


なお、この評価人は、説明が丁寧なので売却基準価額の算出過程を把握したい方には参考になります。


もっとも、すべての競売事件について共通ですが、評価(売却基準価)額には、落札価額に対する基準性はありません。


結論からいえば、売却基準価額と落札価額は無関係の関係にあります。



2.使用について


相共有者(本件ではA)がいると自由に使用収益はできません。


この点については、たしかに、「各共有者は、共有物の全部について・・使用をすることができる」(民法249条)のが原則です。


しかし、他の持分権者との共同使用(一緒に住むこと)は不可能です。


したがって、「持分割合に応じた不当利得金ないしは損害賠償金の支払請求」(最高裁判決平成12年4月7日)をすることができるにとどまります。



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明日は、「収益」についてコメントします。






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