八ヶ岳南麓に秋風が吹く
お盆が終わり、帰省していた子供たちがまた、都会へと帰って行った。寂しいような、ほっとしたような。今朝は、風鈴の音がさわやかに秋風が吹いている。北杜市大泉町で最低気温、15.4度。信じられない涼しさだ。今年の夏は、八ヶ岳南麓でも記録的な暑さが続く。地元紙によると、別荘地でもクーラーがたくさん売れ、設置も順番待ちで電気屋さんが大忙しとのこと。今年は、もはや避暑地ではない。昔からおばあちゃんが言っていた「お盆が終わると、秋風が吹くと」 人がなにもしなくても、季節は巡る。自分も何かをしなくては。
八ヶ岳南麓
田園より富士山 甲斐駒ヶ岳
ぶらぶら紀行(3)信州、川中島にて
新緑の善光寺平は、リンゴの白い花が咲き誇っていた。川中島古戦場史跡公園をあとに、典厩寺(てんきゅうじ)へと歩く。典厩寺は武田信玄の弟、信繁の菩提寺で、山門をくぐって左にある閻魔堂は、川中島の戦いによる戦死者両軍合わせて8000余名を供養するために建立されたとのことである。正面に大きな朱塗りの閻魔大王像が安置され背後の壁には四天王が、天井には三十三体の観音菩薩像が描かれていた。静かな境内をのんびり歩き、傍らの石に腰を掛け、いにしえを想う。しだれ桜のやわらかな緑が目に心地よい。昼下がりの時は、静かに流れていく。
ぶらぶら紀行(2)信州、安曇野にて
松本駅より大糸線に乗り、梓橋を過ぎると安曇野の田園が広がる。沿線の桜ははや散り始めている。穂高駅で降り、ひとり地図もなくぶらぶら歩き始めると春の陽はやわらかく、私にふりそそぐ。穂高川沿いの道を、流れとともに進むと北アルプスの雪解け水は心地よく、桜並木の散りゆく花びらがそっと肩にかかる。岸辺では小鳥たちがたわむれていた。右手には、延々とわさび田が続く。しばらく行くと早春賦の碑があり、腰掛けて静かに口ずさんでみる。「春は名のみの、風の寒さや・・・」 そこから、田んぼ道に入り、北アルプスの山々を見ながら小川沿いを歩くと偶然にも「水色の時」道祖神にたどり着いた。仲睦まじく手を取り合い、幸せそうに微笑んでいる夫婦像に心が和む。安曇野の春は、のどかでどこか懐かしい。
・「水色の時」道祖神
NHK・連続テレビ小説「水色の時」(昭和50年放送)のために制作
された道祖神とのことです。舞台は安曇野。
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