『農家の方々の高齢化』
先週約3反程の田畑の売買させて頂くお手伝いをさせて頂きました。その所有者の農家さんご夫婦は共にご高齢で、以前から「もう畑仕事は辛い、後継者のあても無く継続する事が難しくなった。すぐにでも止めたいが耕作放棄地にする事は近隣の方達のご迷惑になるから、出来ればどなたかに買って頂きたい。」と、常々そのような相談をされて来られた訳でした。
その土地はひな壇ですから宅地化するにも相当な造成工事が必要となり、様々な業界の方達にアプローチさせて頂くも、前向きなご返事を頂く事は叶わない日々が続いておりました。そんな中とある方が購入する事を了承して頂け、何とか売買契約をさせて頂く事となった次第です。
その契約が無事終わった後ご自宅にてそのご夫婦とお話しをさせて頂く中、少しは肩の荷がおりたと笑みをこぼされていました。特に奥様にすれば夏場の炎天下に、腰をかがめて行う草取りはかなりの体力を奪われる事が辛かったと仰っておられ、ご主人にしましては高齢となる中身体が持たないと言われておりましたから、その耕作面積が少しでも減らせる事が出来たと言う訳です。
このようなお話しは常日頃から様々な農家の方々からお聞かせ頂いているのが現状です。特に多いと感じるのが、ご主人を亡くされた後奥様がお一人で畑の面倒を見ておられると言う状況ですね。今売却の依頼を受けさせている方の殆どが、そう言った状況で不承不承年老いた身体を駆使され面倒をしておられます。
後継者のあてが無く、農作物を作っていてもそれは生活の足しになる率は少なく、ただただ近隣のご迷惑を考えて何かしらの耕作をされているのが真意なのでしょう。不動産の仕事をする中でこういった現実を目の当たりにしておりますと、やはり心苦しいですね。先祖代々続けて来られた農業、それを継続する事が叶わない現実。かと言ってすべての農地が宅地などに転用出来る筈も無く、その多くは何れ耕作放棄地となってしまうでしょう。どうしたものでしょうかね?どなたか知恵を御貸し頂けない物でしょうか。
『随分とご無沙汰しております。』
随分と久しくブログを書いていなかった事に、昨日打合せをさせて頂いたお客様から指摘を受け、ハッとさせられました。年始早々に発生した能登半島の震災、相も変わらず殺戮が繰り広げられているロシア・ウクライナそして中東での戦争。そのような状況を毎日メディアにより報道されております。毎朝聴いているラジオでも決まりごとの様にアナウンサーはそれらのニュースを坦々と話されておられます。
そんな中私自身は何一つ普段と変わらない生活を送らせて頂けておりますから、同じ時空を過ごす中、これで良いのだろうかと目に見えない「空虚」な違和感に包まれている感じが続いております。仕事の方はと言えばそんな有様とは無関係に忙しく、今年に入ってからもバタバタとさせて頂いております。
そんな忙しさと裏腹に被災地では様々な『飢え』と闘われており、24時間休むことなく『命』を脅かされている訳ですよね。なんでしょう、これで良いのかと思考を巡らすも、私には何も出来ない事情ですので、何も変わらない日々を只々レールに乗せられた列車の様に、時間をやり過ごすしかない感じです。
そんな中昨日は朝早くから実家の墓掃除に向かい、墓石を懸命に雑巾がけし枯れ葉を掃き集め、お線香を焚向け念仏を唱えてまいりました。念仏を唱えながら様々な祈りを脳裏で願って来ました。それは多聞に自分自身の気持ちを整理するための物だったんでしょう、幾らか気持ちの中に有る靄が薄れて来た気がしましたね。
今、普段と変わらない時間を過ごせている事が、いかに幸せな事なのか今年に入ってからは毎日そう感じさせて頂いております。
能登半島震災で被災された方、戦争により命の危機と闘われている方に、一日も早い安寧の日が訪れます様心よりお祈り申し上げます。
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