2014/01/14 0:12:23

床暖房の是非

 不動産の仕事をしていると、よく床暖房の必要性について質問されます。
この問題おもしろいもので、プロでも意見が真っ二つに分かれます。
必要ないという意見と、あったほうが絶対良いという意見。

 私個人としては、結論から言うと、経済的に余裕がある方は設置したほうが良いが、余裕がない方はつけないほうが良いという考えです。

 理由として、まず余裕がない方の場合。
まず設置費用が高額です。
床暖房は一般的に施工されているLDKの一部だけだと、あまり効果を実感できません。
一部の施工だけだと、床暖房だけだと寒くてすごせませんので、他の暖房と併用しないといけません。
床暖房の理想は、床全体に施工する事です。そうすれば床暖房だけですごせます。
しかしそうすると施工費用は300万円をくだらない金額になる事が普通です。
そして、床暖房は機械なので、遅かれ早かれ壊れます。
フローリングを剥がさないと修理できない場合は、その修理費用は高額となります。
修理できればまだましで、古くなると部品の供給がされなくなる可能性があり、その場合は新品に換えないといけなくなります。
床暖房は、つけたり消したりすると、あまり効果を実感できません。
24時間つけておくことが理想ですが、そうすると光熱費が馬鹿になりません。
ガス代電気代で4人家族で月5万円はくらいはかかるでしょう。(床暖房以外も含んで)
以上が余裕のない方にはお勧めしない理由です。
ただし、マンションの中層階以上の場合は一部の設置でも効果を実感できます。マンションの中層階以上は下層階から熱が上がってきますので、すでに床暖房効果があるのです。一部の設置はそれを強化したようなものなので効果を実感できます。

 一方、余裕のある方は、設置しておく事をお勧めします。
余裕のある方は、東京でも24時間暖房をつけている家はめずらしくありません。そうすると24時間床暖房をつけても光熱費のアップはせいぜい1万円くらいでしょう。それで床下含む家全体が暖かいのは十分価値があると思います。
エコではないですが、ヒートショック対策になるので高齢な方のいる世帯には特に良いでしょう。

 床暖房を設置しない場合の対策としては、ガスファンヒーターとエアコンの併用をお勧めします。
すでに出来上がっている家でも、ガス栓の設置は比較的容易にできます。
ただ増設するなら2万円くらいで出来ます。あとは綺麗に施工する料金です。
私の家も増設しましたが、点検口の設置と電気コンセントの増設工事と併せて5万円で出来ました。
エアコンは通常上からの風になるので、床を暖めるのは得意ではありません。
一方、ガスファンヒーターは下からの風になるので、床が暖まりやすいです。
ガスは燃焼すると水蒸気を生成するので、湿度があがるため体感温度も上がります。
なぜエアコンとの併用を勧めるかというと、ガスの燃焼は酸素を使うので換気が必要となります。暖房を全てガスファンヒーターにすると1時間に1回は窓を開けての換気が必要です。
併用であれば、24時間換気や浴室・トイレ・脱衣所・キッチン等の換気栓を有効活用すれば窓を開けての換気をしなくても大丈夫な場合がほとんどです。

 これから家を造る方には、床下の断熱の強化をお勧めします。
東京の場合、屋根や壁や窓の断熱には拘るけど、なぜか床下の断熱を気にする方が少ないです。屋根や壁や窓の断熱も重要ですが、冬は床下の断熱も重要です。
断熱材自体は性能が良い物でもさほど高価ではありませんので、床暖房を入れない方には、床下に良い断熱材を入れる事をお勧めします。
暖房のききは当然違いますし、光熱費が下がりますので長い目で見れば断熱材の価格を取り戻せます。
冬の寒い日の朝方は、東京でも氷点下になる事があります。
床下は結露対策で外気が入るようになっていますので、寒い日の朝は床下に巨大な氷があるようなものです。(氷の融解温度はご存じなように0度です)

 床下の断熱の強化といっても近年流行の基礎外断熱はお勧めしません。
基礎外断熱とは、基礎を外側から断熱材で覆う工法の事です。
白蟻被害が受けやすくなる事が報告されており、まだこの問題は完全に解決されていないので、現時点では避けたほうが無難です。






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