2016/06/02 14:53:26

バイクの車線の使い方(都会でのバイクの運転のコツ)


都会で走っているライダー以外は、片側3車線とかある道路で、どこを通るのが安全かいまいちよくわからないバイク乗りも多いと思います。
私も横浜市南部の出身なので、最初東京都心を走った時は(32年前)、どこを通るのがベストかわからず非常に疲れた記憶があります。
都心の車は、進路変更のウインカーが3秒前ではなく、出した瞬間もしくは出さずに進路変更をバンバンしてくるのに恐怖を覚えました。特に客を拾うためのタクシーは、それに急ブレーキが加わりますので危険です。

まず基本的考え方として、教習所や試験場での走り方や郊外の走り方と、都会の道路の走り方は、まったく別物だと思ったほうが良いです。
都会は交通量が多いし、自転車・歩行者・バイクも多く、車線の幅が狭い上に、車間距離が危険なレベルで狭くなっている事が普通になっています。
教習所や試験の時に教わった走行では、都会の道路を安全にスムーズに走る事はできません。

例えば、試験では、キープレフトの原則で、直進時や左折時に道路の左端を走らされたと思いますが、これを都会でやったら、危ない思いをする事が多いです。
大きい道路から左折時に、その手前の直線であらかじめ左端に寄るところまでは、都会の道路でも非常に安全に役立ちますが、曲がり始めて交差点の頂点を含みそれ以降では左端を1mぐらいは空けたほうが良いです(交差点の出口で車線の中央に立ち上がるのが良いです)。
曲がりに入ってからもギリギリ左端を通ると、自転車や歩行者がきていて危ない事が結構あります。
ただし、繰り返しになりますが、左折時にあらかじめ直線部分で左端に寄る事自体は、左折巻き込み等を避けるために可能な限りすべきです。これをしないドライバーやライダーが何と多い事か。最悪な人は一回右に振ってから左に切る。左折巻き込みの典型的パターンだし、後ろから来ている直進車等との接触のリスクもあります。
左折時に左端によって走れば、後ろから来ている直進車や右折車に対してマナー的にも良いです。
一方通行を右折する場合は、道交法的にはキープライトですが、都会の場合は逆走自転車や「自転車を除く」で逆走してくるのが多いので、完全にキープライトしないで、右側1mくらい空けたほうが良いです。

左折時以外の直線で、左端ぎりぎりを走っていると、何かが左から飛び出してきたら、すぐに事故になってしまう可能性が高いです。
原付や自転車を運転している時は左端に寄って走らざるを得ませんが、原付二種以上のバイクの場合は、後ろから自分より速い車両が来ている時や左側追い抜き時や左折時以外は、なるべく左端を走らないほうが良いです。
通行帯の中央を走るライダーが多いと思いますが、中央は4輪車の後ろを走っている時に道路に落ちている物を避けるのが難しいですし、バックミラーでの死角が大きくなりますし、追突が多いポジション取りなので、第一通行帯の場合は右寄りを走るのを基本にしたほうが良いです。

都心で安全にバイクで走るために、どう車線を使ったら良いかの結論をなるべく簡単に書くと、「その時その時で安全だと思う車線(ポジション)に移動する事です。ドライバーからすると、チョロチョロ邪魔くさいですが、都会で二輪を安全に走らせる為には必要です。(すり抜けを奨励しているわけではありません)

車線というと、片側1車線、2車線、3車線とか考えると思いますが、道路交通法上の車線は、実は無数にあるのです。
例えば、真っ直ぐ行くのに、第二通行帯の右寄りや左寄りを走っても違反ではありません。
例えば、車線の色が両側黄色の時に、通行帯の中での左側追抜き・右側追抜き・右側追越しは違反ではありません(ただし、白いプレートの補助標識で追越禁止になっている場合は、はみ出しをしなくても追越はできません)。
進行方向が真っ直ぐの場合は、通行帯の真ん中を通るべきだと思っている人が多数だと思いますが、都心で安全にバイクを走らせるためには、もっと多数の車線があると考えて走行したほうが良いです。
通行帯の真中は、追突されやすいポジション取りなので、通行帯の右寄りか左寄りを走ったほうが良いです。そうすれば前車が急ブレーキを踏んだ場合等でも、サッと避けられます。
事故で一番多いのは追突です。バイクの場合は追突されると重大事故になる可能性がありますから、追突されない運転も重要です。
道幅が狭く避ける幅がない時に、右寄りまたは左寄りを走っていると後ろの車に寄せられる時は、通行帯の真中を走って後ろの車をブロックします。

同一通行帯の中でも進路変更する場合は、動き出す3秒前にウインカーの合図が必要です。右左折時にあらかじめ通行帯の端に寄るのに、進路変更の合図が必要なのと同じです。 (ウインカーを出すかどうかは、通行帯の幅の2分の1以上の移動をするかで判断。4輪の場合は少しの移動でもウインカーを出したほうが良いです。)

では、「その時その時で安全だと思う車線に移動」というのはどういう事かと言うと、
状況によって多数ありますが大原則の一つは、「他の運転者の死角にならない車線に移動する」事です。

例えば、第二通行帯まである道路で、比較的ゆっくり走る時は、第一通行帯の真中を走るライダーが多いと思います。
これはドライバーの場合は常識的な走り方なのですが、ライダーとしては危険な走り方です。
第一通行帯の真中を走っている場合に、第二通行帯の流れが悪くなった場合は、自然に左側から追い抜きをする事になりますが、この走り方だと第二通行帯の追い抜きされる車の死角に入る時間が結構長くなります。
死角に入る時間が長いと、第二通行帯のドライバーは死角に入っているバイクの存在に気が付かずに、突然左に車線変更をしてくる事がよくあります。
このパターンは都会のバイク事故の典型的なケースです。
都会では、左折巻き込み、右直事故と同じか次に多いくらいの事故のパターンです。

第一通行帯にいて、第二通行帯の車を追い抜く時は、第一通行帯の「右寄り」もしくは「左寄り」から追い抜いたほうが良いです。
右寄りを走れば、死角に入っている時間をかなり短くできます。ほとんどのドライバーはバックミラーと左ミラーを見てから車線変更してきますので、急に寄せられることはあまりないです。ただし、バックミラーだけで左ミラーを見ずに進路変更してくる車もいますので、追い抜く車両が進路変更してくるタイミングじゃない事をよく確認しましょう。また急に進路変更で寄ってこられても大丈夫なように、状況によっては逃げる準備をして追い抜きましょう。(バックミラー+左ミラー+目視による死角の確認、が正しい安全確認の方法ですが、ちゃんとやってるドライバーのほうが少ないです。)
右寄りは、右前の車が自分の視界に常に入っているし、近いので集中しているので、右前の車が急に寄ってきても素早く反応できるので、中央から抜くより実は安全です。
左寄りは、死角に入っている時間は長いですが、急に寄ってこられても減速等して避ける事が難しくありません。左端から何かが飛び出してくるリスクはありますが、真中から追い抜きするよりは確率的に安全です。通行帯の真中にいた時に、すごい勢いで車線変更してくる車を避けるのは難しいです。
追い抜き時の速度は、速すぎず遅すぎずです。20〜30キロの速度差が最も安全です。50キロ以上の速度差は危険です。(すり抜けの場合は10〜30キロの速度差が安全です。30キロ越の速度差のすり抜けは危険です)
速すぎると当然突然寄ってこられた時に避けるのが困難ですし、速すぎる動きは他のドライバーやライダーとタイミングが合わず危険です(見えていても、相手がまだ来ないだろうと思って進路変更してくる可能性がある)。
遅すぎると死角に入っている時間が長くなります。
このような感じで、道路交通状況に応じて、臨機応変に車線を変えていったほうがバイクは安全です。ただし左側追い越しは違反になりますので気を付けてください。(左側追い抜きは合法)

ライダーであれば、一つの通行帯の中に3車線あると考えて走行したほうが良いです。例えば、1通行帯に3車線あると考えた場合で第三通行帯まである場合は3×3で9車線あるという考えです(1車線75〜125p) 。
私の場合は、一通行帯内に5車線、第三通行帯まである場合は3×5で15車線あると考えて運転しています(1車線50〜75p)。通行帯内の一番右と一番左の車線は「安全マージンのスペース・すり抜け車線」と考えています。
1通行帯の中を13通りの車線に分ける方法もあります。一通行帯の中を、1〜5の車線に分けた場合の通るラインのパターンを数えると13通りになります。
第三通行帯まである場合は、13×3=39通りの車線。通行帯の端の線の上までいれると42通り、左側の線の外側まで入れると43通りです。
このように考える事により、臨機応変に、より安全な車線を選べますし、追突のリスクも減らすことが出来ますし、後ろから暴走してくるスリ抜けライダーに対しても頭に来ないです。

マスツーリングの時(集団でのツーリングの時)は、1通行帯に2〜3車線あると考えると運転しやすいと思います。通行帯等の幅が広めの時は5車線あると考えると良いです。
1通行帯内2〜3車線の使い方は、マスツーリングをした事のある人であれば説明しなくてもわかると思いますが、マスツーリング時に5車線をどう使うかと言うと、
例えば自分の前のバイクが、通行帯を5車線に切って考えた時に右から二番目(左から4番目)を走行している時は、自分は右から4番目(左から二番目)を走行するといいです。
前のバイクが一番右を走行している時は、自分は中央(右から3番目)を走行するのが良いです。なぜもっと左ではないかというと、通行帯の幅がある時に一番左や左から二番目だと前のバイクの死角に入ってしまうからです。死角に入る事を避ける為に通行帯等の幅がある時は5車線に切って考えるのが良いのです。
通行帯内の一番右と一番左の車線は、一般のライダーがすり抜け出来るように空けておきます(ツーリングライダーのマナーです)。また、右左折する時は、この一番端の車線を使います。(右折レーン左折レーンの場合は千鳥または2列で並びます)

ちなみに私が一番多く走る車線は、第一通行帯の右寄りです。(第一通行帯の中に5車線あると考えた時は左から4番目、右から2番目を一番多く通ります。)
交通量の多い一般道で第三通行帯まである場合は、第一通行帯がバイクにとっては一番流れが良いということがよくあります。
道路交通法的にも第一通行帯を基本に走るのが望ましいです。
通行帯の間に近いところを走行すると、前車が急ブレーキをかけた場合にも避けやすいというメリットもありますし、車線変更する時に後方の確認がしやすいというメリットもあります(通行帯の間で後方確認できる。通行帯の中央を走っている場合は、直後の車に後方の視界が遮られるし、隣の通行帯を見る場合のミラーの死角も大きくなる)。
第一通行帯の右寄りを走っている時に、第二通行帯の車に追い抜かれる場合や、後ろから来た第一通行帯の車に追い越される場合は、状況によって第一通行帯の中央に移動します。そうしないと第二通行帯から追い越しや追い抜きをする車に迷惑と思われる場合があります。4輪車のドライバーには、直進時に通行帯の右寄りや左寄りを走る理由は理解されないので、ドライバーによっては危険と感じます。性格の悪いドライバーに幅寄せされる原因にもなります。 第一通行帯のバイクを左側から抜こうとする頭のおかしい軽四輪ドライバーもたまにいます。このような車線の使い方になれてくると、バックミラーに映る後ろの車の動きや、自分の走行スピードで、中央に寄るべきか寄らなくてもいいか判断できるようになります。

私は、第一通行帯の道幅が狭く、且つ路上駐車が多い時は、第二通行帯または第三通行帯を通ります。
この場合の第二通行帯の通り方は、第一通行帯を通る場合と同じような感じになります。
第三通行帯を通る時は、当然、第一・第二通行帯の車両より基本速い速度で走ります。
第三通行帯の通る箇所は、ケースバイケースですが、左寄りを走る事が多いです。
第一通行帯に比べると第三通行帯のほうが第二通行帯の車からの死角が小さいので(追い抜きまたは追い越しされる車が右ハンドルの場合)、第一通行帯で追い抜きする時ほどは神経を使わなくて良いです。
ただし、第三通行帯の場合は、対向車が突然右折等してくる事がありますので、対向車が右折待ち等をしている可能性のある交差点に接近した場合は、なるべく第三通行帯の右側を走って、自分の存在を対向車に早目に見せるようにしています(前車に隠れないようにする)。
ただし、中央分離帯の植え込み等に高さがあり、右寄りを走っていると逆に相手が気付くのが遅れる場合は、第三通行帯の左寄りまたは中央を走ります。


第一通行帯に路上駐車が少なく第三通行帯まである場合は、なるべく第二通行帯は通らないようにしています。
都心での運転が不慣れな人は、第二通行帯を好んで走る事が多いですが、バイクの場合は第二通行帯は両側の通行帯の動きに常に神経を張っていないといけないので、安全運転の為には逆に難しいのです。
追突リスクは、第二通行帯の中央が一番高いです。(第二通行帯の左寄りと右寄りは、追突リスクが少ないポジション取りです)
第二通行帯を走らざるを得ない時は、なるべく両通行帯の車と並走状態にならないように気を付けて走ります。他の車両の死角に極力に入らない事が理想ですが、第二通行帯は死角に入らない状態を保つのは困難ですので、急に寄られても衝突しないように、両側の車となるべく並走状態にならないように気を付けます。
私は第一通行帯を走っている時に、第二通行帯の車はもちろんの事、第三通行帯の車とも並走しないようにしています。第三通行帯を走っている時は同様に、第二通行帯はもちろんの事、第一通行帯の車とも並走しないようにしています。
第一通行帯と第三通行帯の車両が、まったく同じタイミングで第二通行帯に移動しようとする事がある為です。

ライダーにとって、安全の為の車線の決め方で最も大切なのは、とにかく他車から自分が見えるようにする事です。特に左側追い抜きする場合と、対向右折車に対して重要です。
4輪車に比べると、バイクは大げさではなく10倍は危険な乗り物です。(距離当たりの死亡率は50倍あると思います。事故率2×死亡率5×距離率5=50倍)
ここで書いた事を含めて、事故を起こさないコツをものすれば、距離当たりの事故率を4輪車並みに落とすことができます(事故率を10分の1に出来る)。それでも死亡率は5倍あります。
私は平成28年現在、二輪は31年約40万キロ無事故です。4輪とあわせると、28年約110万キロ自分に過失がつく事故を起こしていません。(総運転経験は32年約130万キロです。)






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