2019/11/10 3:48:43

「バイクは後輪で乗る(リアステア)」という説は本当か?

バイクのテクニック論には、嘘が多いですが、


今日は、「バイクは後輪で乗る(リアステア)」という考え方について。

これは結論から書くと、一部本当だけど、おおむね嘘。

まずは本当のところから。
一輪車を考えれば、わかりますが、後輪だけでも走行する事は可能です。
難しいですが、バイクはウイリーしながら曲がる事も可能です。
バイクは後輪で乗るという考え方を主張している人は、前輪はあくまで後輪の補助的な役目という事です。
確かに後輪だけでも曲がる力を発生しますから、前輪が補助と考えて乗る事も十分可能です。
ダートラマシンは、確か後輪ブレーキしか付いていなかったと思います。
ダートラやオフロードのような滑りやすい状況では、前輪はきっかけがメインで、ブレーキも、コーナーに入ってからのトラクションも後輪をメインに行うはずです。
私はダートラやバイクオフロードをやった事ありませんが、4輪でのドリフト走行は、32年前から、ドリフトがブームになるより前からやっているので、4輪と2輪の違いはありますが、後輪の大切さは理解できます。
ドリフトは、前輪も大いに関係ありますが、メインは後輪で、後輪にトルクをかけた状態じゃないと、横には滑りますが、前には進みにくくなり、スピンしやすくなるし遅くなります。
ドリフト状態を作ってからは、前輪は方向性を決める為の補助的な役目との言い方は、間違いではありません。
ダートラやオフロードは、滑りやすい路面状態ですから、このような場合はグリップ走行よりドリフト走行(リアステア)のほうが、スムーズに速く走れます。

しかし、「バイクは後輪で乗る」と主張している人は、ダートラやオフロードではなく、舗装路を前提としてそう言っています。
そうすると、バイクは後輪で乗る(リアステア)という考えは、正しくないと言わざるを得ません。

確かに後輪メインでもバイクは乗れますので、全部嘘ではないですが、
舗装路に関しては、前輪をかなり効果的に使わないと、スムーズに速く走る事はできません。
後輪と前輪の比率で考えると、曲がる事に関しては、半分以上は前輪の役目だと言えます。
確かに後輪は駆動輪なので、コーナーのクリッピングより後半にパワーを路面に伝えると言う重要な役目があり、4輪と違ってバイクの後輪はバンクさせる事により小さくない曲がる力を発生させる事が出来ます。
しかし、ドリフトコントロールが出来る人以外は、フロントタイヤで曲がりの方向や量を決めている割合が大きいので、後輪メインというのは間違いと言わざるを得ません。

流す程度に、のんびり走るのであれば、後輪メインと言う思考でも、あまりデメリットを感じないでしょう。
フロントタイヤを有効に使わない乗り方は、あまりテクニックがいらないですから、そういう意味ではラクな乗り方です。
直線でしっかりブレーキをかけて、スローインでコーナーに入り、コーナーに入ったら徐々にアクセルを開けていけば、後輪にトルクがかかるのでバイクは安定します。
あまり、いろんなことを考えなくて良いので、ラクな乗り方だなとは思います。
ライテク本には、このような乗り方が正しいと書いてあるのは、少なくないと思います。

でも私に言わせれば、これは、とてもつまらない乗り方で、オートマ車とマニュアル車ぐらい楽しさが違うと感じます。
ハーレーのように、基本的に重心が後輪で、曲がりにくいバイクでは、この乗り方が合ってるかもしれません。コーナーを飛ばすようなバイクではありませんから。
しかし、現代のネイキットやスポーツバイクは、前輪を効果的に使うように設計されています。
前後重量バランスは、50対50に近くなっていると思います。
前輪を効果的に使わないと、速くスムーズに走る事は出来ません。
何かあった時に、瞬時に避ける為には、前輪で曲げないと素早く避けられません。後輪メインで曲げようとすると一瞬遅くなります。これはセルフステアの考えに反します。セルフステアはバンクにステアリングが追随するという考えですが、ステアリングで主導したほうが早く避ける事が可能です。(ステアリング、フロントタイヤの動きに、バンクを追随させる)

コーナーの進入ではフロントタイヤの役目が大きく、クリッピングでは50対50くらいが理想、立ち上がりでは後輪の仕事量が多くなります。
コーナーの進入では、ブレーキを残したほうがフロントに荷重がかかり、曲がる力が大きくなります。
直線だけで完全にブレーキを終わらせて、コーナー進入時からアクセルONで後輪荷重にする乗り方だと、コーナーリング速度は遅くなります。
飛ばさないからいいよ、という人がいるかもしれませんが、同じ速度だとグリップの限界まで余裕がないという事ですから、安全とは言えない乗り方だと思います。

前輪メインの走り方は、曲がる為のブレーキを有効に使う曲がり方なので、進入が速い上にオーバースピードでの進入に対処しやすいし、ハイサイドし難い乗り方なので安全です。ただし後輪も有効に使えないと、前後輪ともに有効に使ってる人には勝てないです。(レース以外では勝つ必要ありませんが。笑)

コーナーリングにおいて後輪の役目が5割以上と思っているなら、前輪をちゃんと使えていない可能性があります。一方、前輪の役目が6割以上と思っているなら後輪がちゃんと使えていない可能性があります。
結論としては、バイクは後輪で乗るのではなく、前後輪を効果的に使って乗る物です。(まぁ、当たり前ですね。笑)






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