「やっちゃん」が怖くて登校拒否!
3月12日(月)15:45より
全日本政治連盟主催 「政経懇談会」 於:大宮市ラフォーレ清水園
第一部 講演 山下泰裕 氏
東海大学理事・副学長
演題
「人を育てる、人に育てられる
山下氏の幼稚園の時の同級生との記念写真 一番大きい子が山下氏です。
今から28年前の1984年開催のロスアンゼルスオリンピックでエジプトのラシュワン選手と対戦し右足を負傷しながらも勝利し金メダルを得たときのことを覚えておられる方も多いと思います。
高校時代から、熊本の山下、日本の山下、そして世界の山下と、通算203連勝という偉業を成し遂げ、もっぱら陽の当たる道を歩いてきた山下氏も、小学校時代は、「やっちゃん」(山下氏のこと)が怖くて学校へ行けないと「登校拒否」になる児童も出るほど「いじめっ子」で大変な問題児だったそうです。
そんな山下氏を親が見かねて、小学校4年のときに有り余った精力を発散させ礼儀正しい子に育てようと柔道を習わせたのが柔道人生の始まりだったそうです。
人に揮毫を頼まれると氏は「挑戦」という2文字をよく書くそうです。
それは、氏の信条が「過去は振り返らない。大事なのは今、常に今を大事にし未来に目を向けて夢を持ち続けて前を向いてひたむきに生きること。」だそうです。
その氏も、東海大学の監督に就任したての頃、人の評価について考え方を転換する契機となった事柄があったようです。当時氏は監督として柔道の強い成果を挙げる選手にばかり目を向けがちで、「やる気の無い」と思われた学生に思いが至らなかったところ、その学生が思わぬところで善行を積んでいるのを知り、そのことを讃えたのがきっかけで、その学生の態度が変わり真面目に稽古に精を出し始めたそうです。
その後、氏は柔道の強いという要素ばかりでなく、人は多面的に見なければならないと気がついたのだそうです。
日本の「教育」に欠けているのは、人の良い面を引き出すことで、人の悪い面を指摘し、矯正をするのが教育だと思われているのは良くないことだと言っておられました。
成る程という気が致します。
氏は今東海大学の副学長として、「学生満足度一番の大学」にしようと頑張っているそうです。
大いに期待したいと思いました。
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