スマホ払いはどの程度普及するのか?
パーソナルチェック(個人当座預金)の想い出パーソナルチェックというのを、ご存知の人は居るだろうか。
銀行員でなければ、おそらく知らないでしょう。
ほぼ50年ほど前、銀行に就職した当時、個人で当座預金の口座を持ち、小切手帳を持つのは、格好が良いのと勉強のため、試しに作ってみました。勿論上司にお願いし、先輩の口添えもあってやっと作っていただいたのです。一般の人が作りたいと思っても、銀行ではすんなり作らせてはくれません。普通は直ちに謝絶するものです。
大学出たてで小切手帳を持てたのは銀行員の特権でしょうか。この小切手は、印鑑ではなく自分の署名のみで発行します。数字は漢数字で書くことになっています。テレビドラマで小切手の数字をアラビア数字で書いてあるのを見て疑問に思ったこともあります。
しかし、小切手をはっきりと使った記憶があるのは1回きりです。どこかの支店のゴルフコンペで、総勢20人位でコンペが終わり、帰るときに幹事の人が私に「君は個人当座の小切手帳を持っていたら、皆のプレイ料金を払っておいてくれないかな。口座には皆から集金して入金しておくよ。」と言われました。よく知っていたなと疑念も持ちましたが、特に問題は無いと判断し了解して小切手を発行しました。勿論小切手はその後、不渡りにはならずに無事に決済されました。
その時不思議に思ったのは、銀行員ですから当時全員がクレジットカードを持っていたはずなのに何故使わなかったのかということです。
私はずっとクレジットカードの限度額のためかと思っていましたが、最近加盟店手数料が原因なのではないかと思うようになりました。小切手ならば手数料が差し引かれることなく、銀行へ入金の後、手形交換にかかっても翌々営業日には現金化できるからです。
〇クレジットカードでの支払いを断られたことがある。
昔はクレジット加盟店の看板を掲げていても小規模な商店では手数料に対する負担感が大きく、嫌われたものです。私が地元の喫茶店でカード支払いをしようとしたら、現金にしてくれと断られました。それ以来、私がカード支払いをするのはデパートなどの大手の店だけになりました。
ある大手家電量販店でも現金よりもポイントの還元率がカードの場合悪いのも知っています。
今では考えられないことです。報道によると中国や韓国では屋台の店でもスマホによる決済が8割ほどだというのですから隔世の感があります。現金に信用がないという特殊事情もあるようですが。
日本でもセブンイレブンなどでスマホ払いをしている人をよく見かけるようになりました。
〇小切手はクレジットカードのようにはいかない。
小切手は見ず知らずの人には使えません。昔就職したてのころ、銀行には日曜日の宿直の制度があり、先輩に頼まれて日曜日に銀行に居たとき、某大手デパートから電話がありました。それによると先輩が個人当座の小切手で支払いをしようとしたら一旦拒絶され、自分が銀行員であることを証明してくれというのです。私が証明して小切手は無事通用したようです。小切手を切るのは一見格好良く思えますが、そう簡単には流通しないのだと思いました。
小切手や手形は不渡りになると振出銀行の信用にかかわるので、当座預金の開設も、そう簡単にはしてくれませんし、流通もしませんが、通常頻繁に取引のある相手同士ならば、いちいち現金で支払うよりずっと便利なので広く利用されているのです。
スマホ払いといっても、今は電子マネーが前提となるため、高額の支払いはだれでもできるわけではないでしょう。プリペイドカードと同じで、前払いで受ける金融機関が一番儲けそうな気がします。ちりも積もれば山となるのたとえで、無利息で多量の資金が運用できるのはメリットがあるのでしょう。
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