2022/10/29 9:51:50
胡散臭い海千山千
いつもの喫茶店でのこと。
私の隣の席に後から初老の男性Aが座り、携帯で先方へ店に到着したことを伝えていた。そして電話を切った後、今度は他へ連絡をし、先ほどとは異なる優しい声で他愛のない話をしている。受話器からは片言の女性の声が聞こえてくる。どんな関係なのかは知る由もないが、元気なことはいいことだとひとり勝手に妄想しているとしばらくして初老の男性Bが向かい側の席に着いた。
話しぶりからして友人ではなく、面識がある程度の間柄のようで、世間話から早い段階で本題へと入った。Aの金銭トラブルについてBへ相談・・・というよりもどこか「お披露目」していた。それに対してBはその相手方をよく知っているようで、その人物像をこちらも相談に乗るというより「お披露目返し」をする。債権譲渡などの怪しい言葉が飛び交いつつ、Bからは著名な政治家や財産家の名前がやたら出てくるのだが、BはAの相談に乗っている風なのだが、単なる交流自慢のように聞こえ、ふたりは会話こそしているものの、キャッチボールはしていなかった。そして海千山千の二人の間に流れる独特の胡散臭さだけがとても印象的だった。
いつも休憩時にきっかり10分仮眠をするのだが、結局気になって眠れなかったじゃないか?と席を立った。事務所へ向かう道すがら、どうして気になったのだろう?と考えるとその昔うちの業界ではよく見掛けた方々だったからだと思う。
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